埼玉新都心近郊の住宅街。道路が無秩序に走り、面する宅地はどれも不整形です。そんな変則的な敷地形状に追従する為に個々の住宅は雁行して建っており、外観は小割りにされ、身近なスケールに感じられる街並を形成しています。敷地はそんな街区の突端に位置しています。部屋単位で構成される“棟”を平面的に雁行させながら配置し、街並にならって不整形な敷地形状に追従させます。“棟”同士を幾重にも反復させ、様々な奥行きを持った空間を生み出そうと考えました。雁行の考え方は断面的にも展開され、“棟”のキャラクターをより強調しています。境界面においては開口幅を統一しフルハイトとする事で、“内と内”あるいは“内と外”の関係が等価になるようにしています。この地域の街並・スケール感を継承しつつ都市と緩やかに繋がる空間を意図しています。