SEPA 2014

夫婦と小さなワンちゃん、そして小さな車2台のための住宅です。敷地は南側と西側に細い路地、北側には隣家の大きな庭があり、そのせいか敷地に対して空が異様に大きいのが印象的でした。その雰囲気を残そうと家形ボリュームを東西に切り離し、敷地中央に"更地"をつくりました。この"更地"にタテ・ヨコに板を架け、内外問わず場を生み出していきます。薄い板なのでその向こうとこちらとがとても近く感じられ、隙間もたくさん出来ます。その隙間を通して通りすがりの人々も、空や隣家の庭の大きなケヤキを垣間見る事が出来ます。この"更地"が何となく公共の場のようになってきました。完成して半年後、ずっとこの地域で憩いの存在であったケヤキがアパート建設のために伐り倒されました。これからは、この"更地"がそんな存在になれば良いなと思います。