車だけが行き交う、ひと気なきロードサイド空間。地方都市でお決まりの光景です。完全なる車社会の中で、幹線道路沿いには、巨大ショッピングモールを筆頭に様々な建物が建ち並び、行き交う車にアピールすべく大きな看板を掲げています。その看板に価値を見いだし、それをモチーフにした小屋を群居させて5m上空に街を形成しました。各々は異なる反射特性を持つ金属板を身にまとい、うつろう空や近隣環境を映し出します。また、ここで営まれる生活の"生"さを、編集しつつ増幅させて発信します。とある社屋の屋上に突如現れた空中都市は、無表情な看板によって地域に認知され、やがて地域のコミュニティの場となるでしょう。一企業の地域密着の在り方を模索した建築です。