緑豊かな都立公園からほど近い場所に建つ住宅です。母屋の東に2台分の駐車場と小さな庭があり、その駐車場の上に離れをつくります。駐車場をそのまま残したいので、居室ボリュームを四つ脚で持ち上げる事にしました。独立基礎なので駐車場の仕上げも残せます。庭と駐車場は約1mの高低差があり、浮かんだボリュームと庭との間には程よい距離感が生まれました。居室ではご主人が麻雀に興じ、奥様は庭を楽しみます。それぞれの居場所の中心がズレるので、そのズレをうまく包み込みたいと考えました。中心性の強い方形屋根を庭側に少しずらします。空間の中心は、部屋の中心よりもやや庭寄りになり、中心と重心のズレのようなギャップが生まれました。街に放つさりげない違和感はその産物です。屋根ひとつまみ…小さな建築を考える楽しさをあらためて感じた気がします。