ジブリ映画「耳をすませば」の舞台となった桜ヶ丘は、劇中でもたびたび描かれている通り見晴らしの良い閑静な住宅街です。その住宅街のほぼ頂部にこの家はあります。丘の頂部から続く丘陵と眼下に広がる街並みをパノラミングすべく、矩形の中に45度の角度を持ち込み、空間構成の軸としました。また、そのピクチャービューだけが浮かび上がるよう、メインフロアのインテリアはすべて黒色としています。全館空調などの現代的な技術を採用しつつも、陰翳礼讃よろしく古来の日本建築に倣ってつくり上げた上質な住まいです。