福島県いわき市。東北でありながら温暖な地域です。海まで車で15分程の山あいにある分譲地の一角に建つ住宅です。ゆとりのある区画割なのですが、どことなく寂しげなのはどの家もカーテンを閉め切り、閉じこもっているからでしょうか。登山やキャンプが趣味の建主は"外のような家"を希望しましたが、単に"外"であると同時に、街に対してもオープンな家にしたいと考えました。建築とはリンカクを明確にしていく行為です。そのリンカクを弱め、弱いリンカクを幾重にも重ねる事で、"外度"(どのくらい外っぽいか)を調整しようと考えました。出来上がったのはどこにいても色んな形で外を感じられる家です。この家で家族はお気に入りの"外"を見つけ、感じながら暮らすでしょう。それが周囲にも連鎖し、少しずつ街全体も豊かになればと思います。