Hari-bote 2016
西荻窪にある古いマンションの一室のリノベーションです。くたびれた内装を取り払うと、精度の粗いコンクリートの躯体が姿を現し、一挙に45年前にタイムスリップしたかのような感覚を覚えました。躯体と仕上げの狭間には、まるですべてがストップしたかのような、時間に束縛されない自由さがあったのです。更新が必要な水廻りのみをしっかりとつくり込み、あとはその自由な空間を残しました。躯体と仕上げの狭間に入り込んでみたのです。通常、マンションの内装はいわゆる”張りぼて”なのですが、その裏側を垣間見せる事で新たな住空間が生まれる気がしました。